猫天与が悔い改める話

猫天与が悔い改める話

盗賊闇堕ちif時空です

伝書桜が死んでいた。


死体を最初に見つけたのは俺だった。

死体を見つけた俺は状況が受け入れなれなかった。

悪質なドッキリならどれだけよかっただろうか。

だが何度伝書桜を見ても俺の思考は何度も同じ結論を出した。


・・・死んでいる、手遅れだと。


俺はまた好きな人を死なせてしまったようだ。


「・・・ははは」


彼女の死因はどう見ても自殺、そして自殺した原因は明らかだった。

盗賊・・・あれが呪詛師に堕ちた事だろう。


初めは祝福した、それは盗賊が伝書桜を幸せにできると思っていたからだ。


だが結果はこのザマだ。


あいつも結局俺と同じ獣だった。


自分のやりたい事の為に伝書桜を踏み躙れる人間だった。


あの時俺はすぐさま盗賊を俺の考える限りの苦痛にあわせ盗賊が何があっても折れないか検証すべきだったのだ。


・・・そうと決まればやる事は一つだ。


殺す


あの男を殺す


情け無い事だが俺は今二つの人間への呪いを持ってしまったらしい。


理想で呪詛師に堕ちた馬鹿な人間の末路等今までの経験から推測できる。

・・・おおかた行く当ても無くサバイバルでもする事になっているだろう。

夏油に保護されに行っている可能性は切る。

あいつは自分のくだらん理想で呪詛師に堕ちた・・・なら表向きだろうと夏油の理想には賛同しないだろう。


探す・・・探す・・・探す・・・


そして見つける









餓死したであろう盗賊の死体を




「コイツら…本当になんなんだよ………」


そう俺は盗賊の死体を見て呟いた。


・・・ああ、本当に最悪だ


お前を殺してやれば俺の心にできたもう一つの呪いは消えてまたアイツへの呪いの総量を保てると思ったのに。


それなのにこいつは殺される前に死にやがった。


「・・・ふざけてるんじゃねぇ!!!」

そう俺は叫んで盗賊の死体の首を刎ねた。

・・・ダメだ、これはただの肉塊だ、これをいくら傷つけた所で俺の憎悪は消えない。


ならばどうすればいい?


どうすればこいつへの呪いは晴れる?


どうする?






どうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうする

どうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうする

どうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうする















「・・・ああそうだ、そうか」


認める、俺は盗賊があいつ以上の呪いを残した事を認める。

一方的に伝書桜を殺しておきながら自分は死んで逃げたお前は俺に一生晴れないであろう呪いを残した。


















そしてそもそも今までの俺の呪いは甘かった事を認める。






そもそも何故俺は一度尊厳を壊し尽くして殺す程度で満足しようとしていたのだ?


死んだ程度で逃げられるのに?


あの殺人鬼も盗賊もどんな死に方をさせようと最期はきっと生まれ変わるか過去を永遠に楽しむのだろう。


特に盗賊はあの世で伝書桜と幸せにでもなってるだろうな。






ふざけるな





・・・ああそうだ、ふざけている。

そんなの絶対に俺は許さない、他の誰が許そうと俺はお前らを許さない。


俺はお前達もかつてお前達であった奴らも幸せになる事を許さない。


もしお前達が生まれ変わっているのなら俺はそいつらを殺す、記憶があろうか無かろうが殺す、お前達と魂が同じである限り何度でも殺す。


そしてあの世にずっと留まっているならば


まずは盗賊


お前の仲間も家族も全員送ってやる。


そしてあの世に乗り込んでお前を完全に魂も全て消してやる。



まぁあの殺人鬼は大切な人なんていないだろうがな・・・

それならお前は魂を全て塗り替えてやるまでだ。





だが前者はともかく後者は限りなく不可能に近い。



ならばどうする?


磨くまでだ


今まで以上にもっと呪いを


やる事は変わりない


今までの俺は間違っていた。


そもそも高専のあいつらに感情なんて向けてる時点で甘かったのだ。


まだ俺は人としての部分がまだ残っていたのだろう。


今は違う


ただひたすらに殺す


どんな手を使ってでも全員殺す



・・・ああ、お前達がお望みなら味合わせてやるよ




俺の呪いを


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